【為替】主要国の関税猶予期限後の動向に注目 | 今週の為替相場予想(テクニカル分析) | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

現在のファンダメンタルズ:目先の安値も高値も見てもみあいに

先週(6月30日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)

・米ドル/円:  142.683円~145.229円    144.548円

・ユーロ/米ドル:1.17078ドル~1.18294ドル 1.17742ドル

・ユーロ/円:  168.460円~170.609円   170.199円

先週(6月30日週)の米ドル/円: 週初の乱高下後はドル安の流れが定着

先週(6月30日週)は、四半期末からのスタートとなりましたが、東京での実需は若干米ドル買いが出た程度で目立った動きは出ず、その後は全般に米ドル売りの方がやや強かったという流れでした。海外市場での米ドル売りの動きは、7月に入りユーロ/米ドルでのユーロ買いの動きにも支えられて、米ドル/円も一時142.683円の安値をつけました。

ただ米ドル売りの動きにも特に理由があったとも思えず、その後の一連の米国雇用関連指標の発表を前に底打ち、その後は米国雇用統計までじり高に。米国雇用統計は先立って発表されたADP全国雇用者数が予想外のマイナスとなったことから弱い数字を警戒する向きが多かったものの、失業率は改善、非農業部門雇用者数も予想よりも多い結果に。この強い数字に米ドル買いで反応、145.229円の高値をつけました。

しかし145円台では戻り売りで動く向きも多く、4日は米国が独立記念日で休日となることもあって、動意薄ではあったものの144円台前半までの押しを挟んで144円台半ばでの引けとなりました。

日本の関税に関してはトランプ米大統領が30、35%といった数字を挙げ圧力をかけてきましたが、週末にベッセント米財務長官は「参議院選挙があることも理解しており、また各国に対して通知する関税率は確定ではなく適用は8月1日から」と猶予期間が実質3週間延びると発言しました。いったん7月9日までに新たな関税率の提示はあるようですが、そこから8月1日までの協議で落とし所を見つけられるのかが焦点となっていきそうです。

先週(6月30日週)のユーロ/米ドル:2021年9月以来の高値をさらに更新

先週(6月30日週)のユーロ/米ドルは、前週からのユーロ買いの流れを受け週初はユーロ/米ドルが一段高、7月1日には一時1.18294ドルと2021年9月以来の高値を更新する動きとなりました。これは欧州市場序盤にドイツ連銀総裁が「現在のユーロは高すぎない」と発言したことがきっかけでしたが、既にユーロ買いが続いてきた中で米国雇用関連指標の発表が続くこともあって、それ以上の買いには繋がりませんでした。

その後は7月3日に発表される米国雇用統計に向け調整のユーロ/米ドル売りが進み、発表直後には1.17156ドルまで下げたものの週初の安値はトライしきれず、1.17ドル台後半へと戻し底堅い印象での引けとなりました。これは米ドル/円とともにユーロ/円でも円売りの動きが出ていたことからユーロの売買が相殺された面も大きかったと言えます。

日本同様にEUも関税協議が続いていますが、いまだ合意に至ったのは英国とベトナムの2ヶ国に留まっており、EUが再提示される関税率に対してどのような合意となるのか、中国、日本とともに進展が注目される流れが続きます。

米ドル/円チャート(週足)、移動平均線をレジスタンスとする流れ

長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。

【図表1】米ドル/円(週足) 出所:マネックストレーダーFX **【週足チャートの見方】**長期トレンドは20週移動平均線と週足終値との位置関係で判断します。

・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある

・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある

トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。週足チャートでは、先週は改めて20週移動平均線の下での推移となってきたことで中長期的には移動平均線の水準(今週145.70レベル)がレジスタンスとなってきます(図表1)。ただ、方向転換には2週連続での上抜けが必要なため、米ドル安視点で見ていく流れが基本です。先週引いたサポートラインとレジスタンスラインによるトライアングル(黄)はサポート側を微調整しましたが、サポートラインの水準(今週143.00レベル)がサポートとなります。テクニカルには下はサポートライン、上は移動平均線、どちらに抜けるのかを見ていくこととなります。

日足チャートをご覧ください。

米ドル/円チャート(日足)、7月3日にゴールデン・クロス

短期的な判断は日足で行います。

【図表2】米ドル/円(日足) 出所:マネックストレーダーFX **【日足チャートの見方】**短期売買シグナルは5日終値移動平均線(青)と5日始値移動平均線(赤)のゴールデン・クロス(GC)、デッド・クロス(DC)で判断します。

・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC

・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC短期上昇トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の上で推移し、短期下降トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の下で推移します。通常の2本の移動平均線で言えば、終値が短期線の役割、始値が長期線の役割を果たしていると考えるとわかりやすいでしょう。※マネックストレーダーFXでは、移動平均線の設定画面で始値を選択することができます。日足チャートのトライアングルも週足チャートに揃えて微調整しましたが、それよりも米国雇用統計の強い結果を受けて2本の移動平均線が3日にゴールデン・クロスした動きが短期的には気になるところでしょうか(図表2)。ただ週足では依然として下目線が続いていますので、トレード観点では次のデッド・クロスを待って米ドル/円を売る方向がよさそうです。短期的には6月高値と7月安値の半値戻し145.355円を雇用統計後に試しきれなかったことも上値が重くなりやすい材料だと思います。

ユーロ/米ドルは買いトレンド継続もスピードが速い点には注意

ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。

【図表3】ユーロ/米ドル(週足) 長期トレンド=ユーロ買い継続 出所:マネックストレーダーFX

【図表4】ユーロ/米ドル(日足) 短期トレンド=6月23日にGC 出所:マネックストレーダーFX 週足チャート(図表3)は移動平均線を上回った状態を維持した上に上昇ペースがまったく弱まらず、先週も2021年9月以来の高値をさらに更新してきました。ECB(欧州中央銀行)関係者も現在のユーロ高をそれほど気にしていないという点も下支えする要因となりました。

ただ、日足チャート(図表4)では6月23日以来のゴールデン・クロス状態が本日7月7日にもデッド・クロスに転じる流れとなっています。引けを待たないとわからないものの高値からの下げ具合を見る限り高確率で売りに転じそうです。そうなると、ここはいったん様子を見て次のゴールデン・クロスでの買いがトレードとしては正解です。

トレンドラインは青の平行線に加え、6月下旬からのサポートラインとレジスタンスラインとで拡散型上昇チャンネル(赤)を引きましたので、当面はこれら両線の間での動きを考えることとなります。

ユーロ/円の長期トレンドもユーロ買い継続だが短期調整には注意

次にユーロ/円のチャートです。

【図表5】ユーロ/円(週足) 長期トレンド=ユーロ買い 出所:マネックストレーダーFX ユーロ/円週足では移動平均線よりも上での動きも、年初来安値からのサポートラインとそれに平行に引いたラインとの平行上昇チャンネル(黄)の中での上昇も継続中です。しかし上昇チャンネルの上限に到達するとともに、2024年高値と安値の76.4%戻し170.462にも到達といったん調整が入りやすい水準になってきました(図表5)。

【図表6】ユーロ/円(日足) 短期トレンド=ユーロ買い(5月26日GC継続中) 出所:マネックストレーダーFX 日足チャートでは5月26日のゴールデン・クロス状態が続いていますが、さすがに息が長すぎるため、週足チャートではそろそろ調整が入ってもおかしくない状態となってきました。ユーロ/円で買いを持っている方は次のデッド・クロスでいったん利食いが正解だと思います。短期的な上昇チャンネル(青)も引き続き効いていますが、おそらくはサポートライン下抜けとデッド・クロスは同時に起きる可能性が高いでしょう。ポジションが無い方は次のゴールデン・クロス待ちです。

それでは今週も良いトレードを!

This page may contain third-party content, which is provided for information purposes only (not representations/warranties) and should not be considered as an endorsement of its views by Gate, nor as financial or professional advice. See Disclaimer for details.
  • 報酬
  • コメント
  • 共有
コメント
0/400
コメントなし
いつでもどこでも暗号資産取引
qrCode
スキャンしてGateアプリをダウンロード
コミュニティ
日本語
  • 简体中文
  • English
  • Tiếng Việt
  • 繁體中文
  • Español
  • Русский
  • Français (Afrique)
  • Português (Portugal)
  • Bahasa Indonesia
  • 日本語
  • بالعربية
  • Українська
  • Português (Brasil)